セグメンテーションの基準

 
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主な分類基準は消費者の特性と行動に分けられ、さらに、消費者の特性と消費者の行動には以下の基準に分けられます。

消費者の特性

地理的基準
国、地域、都道府県、市町村、都市、地区・・・

人口統計的基準(デモグラフィックス)
年齢、世帯規模、家族のライフサイクル、性別、所得、職業、・・・

心理的基準(サイコグラフィックス)
ライフスタイル、価値観、個性、購買動機・・・

消費者の行動

オケージョン基準
日、週、月、年、または、消費者の生活においての時間的局面

ベネフィット基準
利便、便益、効果、効用・・・

ユーザー状態の基準
非ユーザー、元ユーザー、潜在的ユーザー、初回ユーザー、レギュラー・ユーザー

使用率基準
ライト・ユーザー、ミドル・ユーザー、ヘビー・ユーザー

使用状況の基準
日常用、来客用、贈答用・・・

購買準備段階の基準
商品・サービスを認知している、認知していない、情報を持っている、関心を持っている、購入希望がある、購入意図がある

ロイヤルティ基準
ロイヤルティが、非常に強い、強い、普通、無い者

態度基準
熱狂的、肯定的、無関心、否定的、敵対的な態度

 

各セグメンテーションの解説

<地理的セグメンテーション>

地理的細分化は一般的に、国、地域、都道府県、市町村、都市、地区などの地理的な単位で細分化していきます。

つまり「どこの消費者を対象にするのか」になります。

また、各地域ごとの特性や特色を把握し、ニーズや欲求をとらえていく事も重要になります。

<デモグラフィックス>

デモグラフィックスによる細分化は、人口統計的属性と訳されて、

年齢、世帯規模、家族のライフサイクル、性別、所得、職業、学歴、人種、国籍、宗教、家族構成、世代などの変数(変化しうる量を表す数字)に基ついてグループ分けします。

消費者のニーズ、欲求、製品やサービスの使用、利用頻度はデモグラフィック変数との連動が多く、また数値の測定がしやすい事から細分化において最もよく用いられます。

例えば性別、年代、家族構成などの細分化をし「婚活で差をつける、30代女性のためのアンチエイジング」といった様に訴求対象を特定できます。

「どんな消費者を対象にするのか」になります。

<サイコグラフィックス>

サイコグラフィックスは心理的属性と訳され、心理学とデモグラフィックスを利用し消費者をより理解するために用いられます。

分類基準は、ライフスタイル、価値観、個性、購買動機など、消費者の心理面や性格の特徴に基ついてグループ分けします。

細分化の例として、

「ブランド志向」「値段より質」「優越感」「健康志向」「流行に敏感」「オリジナリティー」

など考えられます。

つまり「どんな意識を持っている消費者を対象とするか」になります。

<オケージョン基準>

オケージョンには「機会」や「場合」などの意味があり、

この場合、日、週、月、年、または、消費者の生活においての時間的局面を意味します。

例えば、クリスマス、母の日、父の日、誕生日、結婚式、バレンタイン、○○祝い(出産、引っ越し、優勝・・・)などのオケージョンがあります。

オケージョンによる細分化は、製品やサービスの使用、利用法の拡大を図る場合などにもよく使われています。

例としては、2002年に登場した「ワンダモーニングショット」は「朝専用、缶コーヒー」とした事で、朝の缶コーヒー飲用率をアップさせると同時に、他社との差別化も図れシェアの拡大に繋がる事になりました。

<ベネフィット基準>

消費者の求めているベネフィットに基ついて分類されます。(基本的な性能や機能以外も)

例えば飲食店の場合、基本的な機能は「食事が出来る場所」ですが、

それ以外の機能では「早くて、安い」または「ゆっくり、落ち着いた」あるいは「楽しく、さわげる」など「食事をする」以外に、消費者の求めているベネフィットを持っています。

バイクなどでは「移動に便利な乗り物」以外にも「高級感や重厚感のあるアメリカンタイプ」「スポーティーで俊敏性の高いスポーツタイプ」

「スタンダードで運転がしやすいネーキッドタイプ」「操作性に優れバランスがとり易いスクータータイプ」など基本的な機能以外でのベネフィットを持っています。

つまり「本質的なベネフィット+付加価値的なベネフィット」によって分類されます。

ただし、注意点としてはコンセプトとベネフィットには、一致性や一貫性も重要になります。

例えば「高級レストラン」であれば消費者の食事以外のベネフィットは「雰囲気のいい」「デートなどの特別感」「オシャレな」「夜景の綺麗な」なども求めていると考えられます。

なのに「楽しく、さわげる高級レストラン」だった場合、コンセプトとサービスが一致しないので、ベネフィットも伝わらずお客さんは戸惑ってしまい、また、不快感を与えてしまいかねません。

なので、空間的、接客法、演出などの一致性や一貫性は、ベネフィットを伝える上でも重要になります。

<ユーザーの状態基準>
製品、サービスの顧客には、非ユーザー、元ユーザー、潜在的ユーザー、初回ユーザー、レギュラー・ユーザーに細分化する事が出来ます。

非ユーザー
まだ一度も製品、サービスを使用、利用した事が無いユーザー。

元ユーザー
かつて、使用、利用した事があるが、現在は無いユーザー。

潜在的ユーザー
今後、何かのきっかけやタイミングで使用、利用する可能性のあるユーザー。

初回ユーザー
今回、初めて製品、サービスを使用、利用したユーザー。

レギュラー・ユーザー
現在、ごく普通の頻度で使用、利用中のユーザー。

潜在的ユーザーというのは、例えば自動車の免許を取得しようと考えている、あるいは取得中だった場合、今後車を購入する可能性が高いと考えられるユーザーなどにあたります。

<使用率の基準>

現ユーザーが「一定の単位時間あたりどの程度使用、利用し消費したのか」の頻度で、ライト・ユーザー、ミドル・ユーザー(レギュラー・ユーザー)、ヘビー・ユーザーに分られます。

日本語で言うと、小口顧客、普通顧客、大口顧客にあたります。

ヘビー・ユーザーは、全体の割合からすると2割程度で少なく、ライト・ユーザー、ミドル・ユーザー(レギュラー・ユーザー)が8割程度と言われています。

しかし、総消費量や利益の80%が、2割のヘビー・ユーザーによってもたらされると言われ、この事を2:8の法則やパレートの法則などと呼ばれています。

百貨店などでは、ヘビーユーザー(大口顧客)に対し、来店してもらわなくても新商品や好みをリサーチして直接自宅までもっていき販売しています。

ただし「ヘビーユーザーだけを」という事ではなく、今後ヘビーユーザーになる可能性のある各ユーザーに適切なマーケティングが大前提です。

<使用状況の基準>

消費者が「どのような用途で商品やサービスを求めているか」によって分類します。

「お中元用の贈答品なのか」「来客時におもてなす菓子類なのか」など、市場を様々な使用状況で細分化を行っていきます。

<購買準備段階の基準>

製品を購入する段階で分類します。

製品について認知していない者、認知している者、情報を持っている者、関心を持っている者、購入希望を持っている者、購入意図を持つ者に分けられます。

<図>
購買準備段階1

当然ですが、図のように①⇒②⇒③⇒④⇒⑤⇒⑥に行くにつれて購入率が上がります。

④⇒⑤⇒⑥は、購入意欲が高くなっていく段階なので、比較的購入されやすい状態です。

①⇒②⇒③は、購入意欲が高くない段階なので、まずは関心を持ってもらわなければ、そもそも購入までには至りません。

認知していない場合には認知されるように、認知され、また情報を持っている場合は、関心を持ってもらう活動や広告が必要になります。

なので、特に①⇒②⇒③の段階では、複雑で分かりにくい商品説明よりも、分かりやすく明確なベネフィットを伝え興味を持ってもらう事が重要になります。

<ロイヤルティ基準>

消費者を、「ブランドに対してロイヤルティがどの位なのか」によって分類され、

基準としては、主に4つのグループが考えられます。

①ロイヤルティが非常に高く特定的
決まった1つのブランドを使い続け、そのブランド以外は使わない消費者。

②ロイヤルティは強いが、対象が複数
1つのブランドだけでなく、決まったいくつかのブランドを使用する消費者。

③ロイヤルティ自体低く、対象が不特定的
たとえ、特定のブランドを使用していたとしても、ロイヤルティが高く無いので他のブランドに移ったりする消費者。

④ロイヤルティが無く、対象が不特定的
どんなブランドにもロイヤルティを示す事がなく、決まったブランドがない消費者。

ここでのポイントは、消費者がロイヤルティを「なぜ、どこに、何に、示しているのか?」の分析や理解になります。

例えば、デザイン性、機能性、値段なのか?

さらには、商品とは全く関係がない部分なのか?(CMのタレントが好き、接客が良かったなど)

逆に競争他社が、消費者に圧倒的指示があった場合も同等に、ロイヤルティを分析や理解する事で自社の強みや弱み、支持される理由されない理由が明らかになってきます。

明らかになってくれば、今後強みを伸ばし弱みをカバーしていくための、マーケティング活動を行って行く事が出来ます。

<態度基準>

消費者を、①熱狂的、②肯定的、③無関心、④否定的、⑤敵対的の「態度」に分類されます。

ここでは、各「態度」に対し、どの程度の時間を使うか(注力していくか)を決めていきます。

①、②今後、永続的な顧客になっていく可能性が高いので、よりCS(顧客満足度)を高めていくなどの努力をし、出来る限りの時間を割いていく事が考えられます。

③には、関心を持ってもらうためのアプローチが必要で、それに対して注力していく為の時間が必要と考えられます。

④、⑤の否定的、敵対的な場合、その「態度」を変化させていくのは非常に困難で、あるいは変わらない可能性もあります。

なので、多くの時間を使い注力していく事は、得策とは言えません。

ただし、④、⑤に対して「ロイヤルティ基準」でも説明したように「なぜ、どこに、何に」否定的、敵対的なのか?を分析、理解する事で、変化させていくアプローチを模索していくける可能性もあります。

セグメンテーションを行う上での条件

測定可能性セグメントの規模や境界、購買力、特性が測定できる事が必要。

利益確保可能性
セグメントに対し、製品、サービスを提供するのに十分な、あるいは追求に足る規模、収益性があるか。

例えば、大人の日本人女性用の靴だった場合、20~22㎝に軸を置くより、23~25までの需要の多いサイズに軸を置かないと収益性が低くなってしまいます。

仮に、20~22㎝を対象とした場合、生産コストや在庫リスク想定し、かつ収益の確保も考慮し値段を上げるなどの対策が必要になります。

接近可能性
セグメントに対し、効果的に接近や到達でき、製品、サービスを提供していけるのか、また可能性があるのか。

実行可能性
セグメントに対し、製品、サービスを提供していく為の経営資源が確保でき、マーケティング活動を実行していく事が可能か。

そもそも、自社では出来ない範囲で設定しても机上の空論になってしまい、実行していくことが困難になります。

まとめ

一言で、セグメンテーションと言っても色んな基準、手法、方法があります。

ただし、全ての手法、方法を使いセグメンテーションしていくと、時間、労力、資金などかかり過ぎて複雑化し非効率的になり、また実行が困難になる可能性もあります。

大企業レベルにおいては、投入できる経営資源が十分に確保できるので、大規模で様々なセグメンテーションを行う事が可能ですが、

中小企業や個人事業レベルにおいては、自社の特色やコンセプトに合った、あるいは必要最低限のセグメンテーションを組み合わせ、

自社の経営資源で、測定、利益確保、接近、実行が可能かを判断し、効果、効率的な戦略、戦術を提案していく必要があります。

主に、地理的基準、人口統計的基準、心理的基準、ベネフィット基準を組み合わせ、セグメンテーションを行えばターゲットを絞って行けます。

例えば、バイクの市場に参入を考えた時、地理的基準、人口統計的基準、心理的基準、ベネフィット基準、を用いて、

「都内、男女で免許保持者、免許取得中の者、人気車種、操作性が高い」などのセグメントをターゲットにする事もでます。

また、セグメンテーションを行う際、業務を複雑化させていくのでなく、出来る限り簡略化させる事が重要になります。

 

 

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