プロモーション戦略 2.効果的なコミュニケーションのステップ

 
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このページはプロモーション戦略 1.種類と方法の続きになります。

まだ読んでない場合順番に読むと理解が深まります。

効果的なコミュニケーションのステップ

効果的なコミュニケーションを開発するには、主に8つのステップを考察し決定していきます。

①標的視聴者の明確化
「標的視聴者を明確に」と言うとイメージしにくいと思いますが、簡単に説明するとセグメンテーションターゲティングで絞った層を基に「誰に」を明確化していきます。

 

②コミュニケーション目的の決定
標的視聴者に対し「どうしたいのか?」の目標を決定していきます。

製品、サービスを認知させたいのか、それともすでに認知されているのであれば、興味を持ってもらい欲しいと思わせたいのか、あるいはすでに需要があり利益は出ているが、さらに市場を拡大させ需要を増やしたいのか、など目的が異なればどのようにコミュニケーションをとっていくかも変わってきます。

コミュニケーションの方法が異なればコストも変化し、どこを主に注力していくかの判断も変わってきます。

なので、目的がはっきりしていないと、今後のコミュニケーションの設計も明白にしていく事が難しくなって来ます。

また、消費者の購買行動プロセスを基に、どの段階を軸にするかで目的の決定する事も可能です。

 

③コミュニケーションの設計
最適で望ましい反応を獲得するためのコミュニケーションを考案していく上で、消費者、顧客に対し「何を、いかに、また誰が発信するか」は非常に重要になります。

どれだけ良い製品だとしても、最終消費者がそれを「良い、欲しい」と思わなければ購入されることは難しく、また「何か分からないモノ」には興味すら持ってもらえない事にもなります。

なので、興味を引き、購入してもらためにも「どんなモノで、何が出来、また誰が販売し、メッセージを発信しているのか」を明確にし伝えていきます。

1)メッセージ戦略(何を)
何を伝えたいのかになりますが、主にポジショニングで行ったことを基に連想し、アピールポイント、テーマ、アイデアを見つけ出し、また食い違いがないように一貫性のあるメッセージを作成して行きます。

また、生産財の市場では、買い手は性能や機能を軸としたメッセージの方が反応が高いとされています。

主な理由は、買い手は製品を熟知し、価値を認識し「なぜ、それを選んだのか」を他人に説明しなければならないからです。

2)クリエイティブ戦略(どのように、いかに)
メッセージ戦略で何を伝えるかメッセージを明確にしたら、それをどのような表現で伝えるかを考察していきます。

最適な表現は、何を伝えたいのかによってそれぞれですが、主なアピールの方法として以下のものがあります。

【1】情報型アピール
これは、製品、サービスの属性やベネフィットについて詳細をアピールする方法になります。

・問題解決型広告
問題提起しそれを解決できることをアピールします。

例えば風邪薬は「つらい鼻水、鼻づまり、発熱、喉の痛みに○○が効く」など問題を解決できることをアピールした広告になります。

広告例として、

「のどカゼに、速攻。ルルアタックEX」(ホームページ)や「ねつ、のど、鼻に、ルルが効く♪」(CM)などが挙げられます。

・デモンストレーション販売、広告
イベント、実演販売、テレビの通信販売や広告で、実際に使用し、製品、サービスの機能、性能の良さを見せアピールします。

例えば、お店やイベントでマグロの解体ショーの実演、カー用品、洗剤で使用過程の動画を流す、ファッションショーやマネキン、CMでは自動車の自動ブレーキの映像などが挙げられます。

・製品比較型広告
従来製品、他社製品と比べ自社の優れた機能、性能、性質をアピールする方法です。

例えば「今までに落としきれなかった汚れを、これなら落とすことが出来る」といったようなフレーズをよく聞くと思います。

また、これらの情報型アピールは、一面的主張と二面的主張があり、一面的主張は製品、サービスの優れた部分だけを主張し、いかに良いかを伝える一面的プレゼンテーションで、

二面的主張は、サービスの優れた部分だけではなく、欠点である部分に触れるプレゼンテーションになります。

使い分けは扱う製品、サービスによって異なりますが、明らかにマイナスイメージや否定的な意見をもたれそうな場合などでは、一面的主張よりも先にその部分に触れ、その理由を明確にした上で商品、サービスが、いかに優れているかを伝える二面的主張のほうが効果的な場合があります。

例えば「雪国もやしはめちゃめちゃ高い」と欠点に触れ、その理由を安全性、おいしさを徹底し開発した「雪国もやしの高い理念」で伝えることで、欠点を克服し好感的なイメージ作りに成功しています。

【2】変容型アピール
これは、製品、サービスの性能や、機能、性質と直接的に関係のないベネフィットやイメージをアピールし、

主には恐怖心、罪悪感、羞恥心、好奇心あるいは、ユーモア、愛、プライド、喜び、感動など、人の情緒に訴えかける方法が用いられ、それにより消費者の注意、興味、共感を得る方法になります。

ただし、内容とアピールメッセージがあまりにも食い違うと、逆に不信感を高める結果に繋がるので連想できる内容が重要になります。

広告例としユニクロのヒートテックでは、「一日を暖かく、心地よく変える「もうひとつの肌」」(ホームページ)で暖かさを表現していたり、

P&Gの2013年12月21日から放送された「ありがとう お母さん」のCMもあります。

「ママの公式スポンサー」(現在、見れなくなっている可能性があります)

*補足として2010年7月に「スポーツを通じてよりよい世界を構築する」オリンピックの精神と、 「世界中の人々の暮らしをよりよくしていく」というP&Gの企業理念が合致し、 国際オリンピック委員会(IOC)と「TOP(The Olympic Partner)プログラム」の契約を結んでいます。

また、世界共通のテーマ「ママの公式スポンサー」のもと、オリンピック出場選手と、 そのお母さんを応援するキャンペーンを全世界で展開しています。

主にP&Gは最寄品(日用品など)などを扱っているので、情報型アピールだけでは他社製品と圧倒的な差別化はなかなか難しい市場といえます。

しかし、最寄品の洗剤用品、ヘアケア製品、紙製品(おむつ、生理用品など)を多く扱っているので「日常洗物でよく使用されるもの」→主婦、女性層を主に連想することが出来ます。なので「ありがとう お母さん」もまったく違和感なくメッセージが伝わります。

3)メッセージの発信源(だれが)
基本的には、会社側がコミュニケーションを行いますが、第三者を起用し行うこともあります。

主に有名人や著名人が良く使われ、それにより好感的なイメージ作りをしたり注目を引いたりし消費者の記憶に残そうとします。

あるいは無名な人を起用する場合もあり、レビュー(体験結果や使用効果など)をする事で、製品、サービスに対しての信頼性を高めます。

また「メッセージの信頼性」を高める主な要素として「専門度」「信用度」「好感度」があります。

【1】専門度
メッセージの発信者が、専門的知識を持っていることで信憑性が高まります。

【2】信用度
消費者にいかに「メッセージの発信者が客観的でかつ信頼に値する」と判断されるかになります。

知らない人や販売員よりも身近な人の推奨の方が信用されやすく、また、報酬をもらって推奨している人よりも無報酬で推奨している人のほうが信用されます。

実際、友人が進めていたから、あるいはネット通販などで購入する時、芸能人など「ギャラ」を貰ってゴリ押ししている人の意見よりも、実際の購入者のレビューを見て商品を選ぶと言った経験はあるとは思います。

【3】好感度
メッセージ発信者の魅力に左右される部分で、例えば面白さ、ナチュラルさ、正直、苦労からの克服(その人のエピソード)など魅力にはさまざまな要素が含まれます。

これら3つの要素を持っているとメッセージの信頼性は非常に高くなりますが、これらの要素すべてにおいてもっとも重要なのは「一致度」になります。

メッセージと発信者が、製品、サービスの内容やコンセプトと一致しなければ、3つの要素を打ち消してしまいます。

例えば「ダイエット」関係で専門度が高い医者が医学的な根拠を基に「運動と食事制限で体のために痩せましょう」といったとしても、その医者自身がメタボ体型で太っていては説得性に欠けてしまいます。

なので、イメージとメッセージが一致していないと、いくら専門度、信用度、好感度を高めようとしても「ツッコミどころ」が発生し信頼性が損なわれてしうので、

メッセージの発信者で第三者を起用する場合はこの様な注意は必要になります。

④コミュニケーション・チャネルの選択
メッセージをどのような方法で消費者に伝えるかになります。

主には以下に大別されます。

1)人的コミュニケーション・チャネル
複数あるいは一対一など、対面、電話、クチコミなど直接コミュニケーションを行います。また、人的コミュニケーション・チャネルは3つに分けられます。

【1】企業チャネル
企業の販売員が消費者に接触しコミュニケーションを行います。

【2】専門チャネル
企業外の専門家が消費者に情報を伝えます。

【3】社会的チャネル
身近な知人、友人、家族、同僚などが情報を伝えます。

 

これらの人的コミュニケーション・チャネルは、消費者に直接呼びかけるので高い反応が得られることが出来ますが、接触やテレーケティングなどを嫌う消費者もいるので注意は必要になります。

また、1人の影響力のある人物の口コミは、平均2人の購買態度に影響を及ぼす傾向があり、さらに、オンラインでは影響力の輪が8人に拡大するといわれていますが、その反面悪い影響の拡散も早くなるデメリットにもなり得ます。

2)非人的コミュニケーション・チャネル
人と人が直接伝達せず、他の媒体やイベントを通し1人または複数人に向けたコミュニケーションで、主にメディア、狭義的な販売促進、イベントと経験、パブリック・リレーションズなどになります。

主にメディアは「マーケティング・コミュニケーションの種類と法方」の広告に含まれる内容になります。また、イベントと経験、パブリック・リレーションズについてもそちらを参照ください。

 

⑤マーケティング・コミュニケーションの総予算設定

1)支出可能額法
自社が支出可能な範囲で予算を設定していきます。

主にこの場合は、新規事業や前例や他社の広告費と比較する事が困難である時など、自社の資金力の中で検討をしていく事になります。

2)売上高比率法
売上高実績や予想売上高に対し、一定の比率で広告予算を設定します。

これは、過去の売上実績や売上金額、予想売上に基づいて、その数字に対し一定比率で設定する方法になるので、言いかえれば過去や未来の「結果」が設定の主軸になります。

なので、もしチャンス機会に出会ったとしても、大きく投じるなどの発展的な冒険をする事が難しく、製品やターゲットに合った「最適化」を軸に考え臨機応変な設定が出来ないと言ったデメリットもあります。

3)売上単位法
これは、全体の売上高総利益に対してではなく、一個あたりや売上数量に対し一定の単位で広告費を設定します。

4)競争者対抗法
同市場での競争他社の広告にかける費用を基準に自社の広告費を設定していきます。

これは「成功している他社のプロモーション予算の設定は最適である」と考えられる事などからこの方法を用いられる事があります。

ただし、あくまでも「模倣」にしか過ぎないので、他社のコンセプト、目的、認知度、規模が異なれば「まったく機能しない基準」になりかねません。

5)目標基準法(目標タスク法)
マーケティング活動において目標、目的、課題を達成させるために必要なタスクを決定し、そのタスクを実行するのに必要と見込まれるコストの総額を広告の予算設定基準にします。

*タスクは簡単に説明するとプロセスに近い意味合いです。

 

⑥マーケティング・コミュニケーション・ミックスの決定
主に「マーケティング・コミュニケーションの種類と法方」で説明した中から選択し組み合わせて行く事になります。

自社の製品、サービスや市場(生産財市場、消費財市場)によって組み合わせ方は異なってきます。

また、コミュニケーション・ミックスを策定していく上で、消費者の購買行動の心理段階、製品ライフサイクルの段階などを考慮し、

どのような消費者に対し、どのようなマーケティング・コミュニケーションが最適なのかなど、特性を生かし組み合わせを決定していきます。

また、その中でも中心的要素になる「広告」の立案については、広告作成のステップを参照下さい。

⑦コミュニケーションの効果測定
コミュニケーションを通じ伝えたメッセージがどの程度効果があったのかを測定します。

目標を達成できたのであればメッセージ効果があったといえるが、目標に達成できていないのであれば、改善あるいは新たなコミュニケーションを図っていく必要があります。

主にはアンケート調査などを行いますが、調査項目としては、

・メッセージに気が付いたか?
・メッセージを覚えているか?
・メッセージを何回見たか?
・メッセージのどの部分が印象に残っているか?
・メッセージをどう思ったのか?
・メッセージを見た後と見る前での印象はどう変化したか?
・人に話をしたか?あるいは話題になったか?

また、何人が購入に至ったかなどを調査していきます。

プロモーション戦略 3.統合型マーケティング・コミュニケーションの管理

 

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