ポジショニングと差別化で「価値」を伝える

 
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ターゲティングで、ターゲットのセグメントが決定したら競合他社との違いをポジショニングで明確にしていきます。

ポジショニングをする目的や目標を一言で表すと「競争相手とのレッド・オーシャンを避け、ブルー・オーシャンを目指す事」になります。

そのためには、消費者に自社あるいは自社の製品、サービスの特性や特徴をよりイメージし易くされるために、自社のブランドの枠組み(カテゴリー)は何で、他社との違いはどこなのかなどを創出し、それを「知覚」される事が必要です。

そこで、重要なのは「自社にとって」ではなく、「消費者にとって」他社との違いを明確にしていくと言う事です。

消費者が「どのような目的を達成するのにその製品、サービスが役立つのか、自社の製品、サービスであれば、それをどのように行う事が出来るのか」など、消費者が製品、サービスの属性、ベネフィット、価値をイメージ出来るように伝える事です。

と言うのも、自社がいくら差別化を図り提唱したとしても、最終的にそれを理解し判断するのは、受け取る側の消費者だからです。なので、自称○○ではなく、第三者から見て○○でなくては差別化として判断されないと言う事です。

ポジショニングを消費者に分かり易く、また伝わり易くするため「ポジショニング・ステートメント」で表現される事が多く、一般的な方法になります。

形式的な説明をすると下記の要素で表現していきます。

①【セグメントされたターゲット】向けの、

②【カテゴリー・メンバーシップ】製品、サービスであり、

③【類似連想】○○はもちろん、

④【相違連想】○○する事が出来る、または備えた、(独自の能力)

⑤【コンセプト】である。

 

例:株式会社バルミューダ:AirEngine(エア・エンジン)

①【セグメントされたターゲット】

部屋の空気をクリーンにしたい人に対し、(ハウスダスト、花粉症などアレルギー体質、ぜん息、タバコ、ペットの匂いなど)

②【カテゴリー・メンバーシップ】

バルミューダの空気清浄機「エア・エンジン」は、

③【類似連想】

ペット、料理、タバコなどのニオイ成分の分解、低減などの脱臭効果はもちろん、

④【相違連想】

独自構造である「Wファン構造」「360°酵素フィルター」により、従来では吸い寄せ切れず床に落ちていた、大きくて重い粒子の花粉も引き寄せる事が出来る圧倒的な吸引力と、

通常の平面フィルターではなく360°酵素フィルターにより、前後左右、全方位から集塵(しゅうじん:チリやほこりを一か所に集める事)出来る集塵力、そして、酵素の力による除菌力。

さらには、PM2.5にも対応し90%以上除去する事が可能な、まったく新しい構造の空気清浄機です。

⑤【コンセプト】

赤ちゃんのアレルギーの心配もない「安心と安全な空気」を御提供いたします。

 

*PM2.5は粒子が小さく呼吸器系の奥深くまで入りやすく、 ぜんそくや肺炎などの健康被害を引き起こす原因でもあります。2013年、西日本では国の基準値を上回るPM2.5が観測され、 偏西風などの影響で、東日本にも大量に飛来する可能性が高いされています。

 

上記のポジショニング・ステートメントは、AirEngineの広告に記載されている機能説明などの内容を元に表現してみた例で、ちなみにコレ↓がその商品です

バルミューダ 空気清浄機 AirEngine(エア エンジン)EJT-1100SD-WG (ホワイト×グレー)

では、具体的にどのように構成していくのかを説明していきます。

 

カテゴリー・メンバーシップを特定する

自社が何の製品、サービスのブランドで、また競争相手となる他社の製品、サービスは何なのかなどのカテゴリー・メンバーシップを特定します。

例えば「コーヒー」であれば、缶コーヒーなのか、インスタントコーヒーなのか、あるいはドリップコーヒーなのかなど、自社のコーヒーブランドの競争相手となる商品群を特定し、また、消費者に何のコーヒーなのかをイメージできるようにします。

同じ「コーヒー」を求めている人でも、

手軽に飲める缶コーヒー、
自分の好みでブレンド出来るインスタントコーヒー、
本格的に味わいたいドリップコーヒー、

の様に、カテゴリーが変わればその商品に求めるベネフィットも変わってきます。

また、製品、サービスがまったく新しい革新的なものなのであれば、新たなカテゴリーを定義していく事になりますが、消費者が頭の中にイメージしていける必要があります。と言うのも人は「分からないモノ」には、そもそも誰も価値を感じません。

なので、しっかりと伝わり、かつイメージが出来「何なのか」がを理解される事が重要になります。

 

類似点連想と相違点連想

類似点連想は、ブランドの属性、ベネフィット、価値、に基づき他のブランドと同レベルあるいは、共通する特徴があると連想(イメージ)させる事です。

すでに、ポジショニング、ブランド価値が確立されているのであれば、消費者に信頼あるブランドとして認識される事になりますが、まだ認識されていないブランドの場合、すでに市場にいる他社製品、サービスよりも劣っていない事、あるいは、最低限同等のレベルである事を認識してもらう必要があります。

市場に存在する多くの製品、サービスの基本的なレベルに達していなければ、いくらポジショニングで差別化を図っても「劣っているモノ」と判断される可能性があります。

なので、類似性の連想をし、消費者に求められる最低限のレベルを備えている事を明確に伝え認識してもらわなければなりません。

 

相違点連想は、他社とは違うブランド特有の特徴があると連想(イメージ)させる事です。

類似点連想で基本的レベルを有している事を明確に伝えた上で、さらに、それ以上に特有の特徴がある事を伝え、他社ブランドよりも優れている事を伝え認識してもらう事で優位なポジショニングを築いていきます。

もし、他社との類似性がなく、まったく「新しいモノ」なのであれば、ベネフィットに基づいて新たなカテゴリーを定義し、革新的である事を伝え認識してもらう事が必要になります。

また、相違点連想には2つの重要な事項があり、また2つの事項の中には主に6つの要素が含まれます。

①消費者が「望ましい」と思う事

1)重要性
消費者が、相違点である特徴などに関心を持ち、自分にとって重要なものだと思われなければいけません。重要であると認識されなければ必要性も無くなってしまいます。

 

3)独自性
消費者が、相違点に対し他社とは違い特別で優れていると思われなければいけません。優れていると思われなければ、相違点連想をしたところで意味のない特徴になってしまいます。

 

3)真実性
消費者が、相違点に真実性や信頼性があると判断しないとただの誇張された相違点連想でしかありません。真実性や信頼性があると判断してもらうには、それに値する理由や証拠を提示する必要があります。

*参考までに主張を納得させる基本的な方法を紹介しておきます。
【三角ロジック】
三角ロジック

主張:提案、意見、推論、結果など
論拠:原理、原則、法則性、傾向、など
データ:統計的データ、事実、他の具体例など

例:

「主張・結論」(○○である)、なぜなら「論拠」(一般的に○○な法則、傾向があり)また、「データ」(○○の統計結果、事実がある)よって「主張・結論」(○○と言える)。

 

②自社が相違点連想を実現する能力がある事

1)実行可能性
相違点連想によりイメージしてもらうブランドが、実際にその連想に「ふさわしく望ましいモノ」でなくてはいけません。なので、連想通りの能力があるのかを判断していく必要があります。

もしも、相違点連想を実行する能力がないと判断したのならポジショニングを考え直必要があります。

 

2)伝達可能性
相違点連想で伝えるベネフィットや価値を、消費者に理解し納得してもらわなければいけません。いくら「他社との違い」をアピールしたとしても「信じられるもの」でないと不信感を持たれてしまいます。

なぜ、そのブランドがベネフィットをもたらす事が出来るのかなどについて、納得、理解のいく理由を示す必要があります。

なので、しっかりとした事実に基づいた証拠があり、立証していけるだけの「根拠」を与える事が可能なのかを判断しなくてはいけません。根拠も論拠も証拠もないのでは、誇張にしか過ぎないと言う事です。

 

3)持続可能性
相違点連想を実際に実行でき、かつ、ポジショニングを維持、持続していく事は出来るのかを判断します。

ポジショニングの目標は、ブルー・オーシャンを目指す事になりますが、相違点連想で伝えたベネフィット、価値が、他社に簡単に模倣され脅かされないかなども重要な部分になります。

 

差別化戦略

レッド・オーシャンを避けるため差別化を図っていく事が重要になり、また、考えられる差別化軸を創出し組み合わせていく事で他社ブランドとの違いを設定していくことも可能です。

主な差別化軸はP・S・C・Iの4つが考えられます。

*P・S・C・Iは、当サイトでの表現なので定義的なものではありません。

①P軸:プロダクト(製品、サービスの差別化)

主に、製品、サービス全般にかかわる差別化で、性能、機能、特徴、形態、デザイン、スタイル、耐久性、修理、アフターサービス、メンテナンス、コンサルティング、などが考えられます。

 

②S軸:スタッフ(社員、販売員、アルバイト、などの従業員の差別化)

主に、他社とは違うスタッフの良さにかかわる部分で、知識レベル、技術レベル、服装、身だしなみ、清潔感、対応、応対、接客法、親近感、丁寧さ、などなど。

特に第一線で働き、消費者、お客の目に触れる従業員は、非常に重要な役割を果たしている事になります。

お客さんが「なぜ、そのお店で購入したのか?あるいは飲食したのか?」または「なぜ、そのお店が嫌いなのか?」の理由が、従業員の接客態度、雰囲気、服装など、製品、サービス以外の部分の良し悪しで決まる事があります。

例えば、製品がサービスが良くても従業員の対応が悪かったら「そこでは二度と買いたくない」と思われてしまいます。あるいは、他社の方が製品サービスで優っていたとしても「とても、親切で親近感があったから、またここにしよう」と思う事だってあります。

実際、いくら信頼のあるブランド価値が高くても、従業員の「愚行」により廃店、廃業、休業、に追い込まれ、信頼を失墜させられるケースもあります。

なので「教育されたスタッフ」による差別化は、消費者の反応を大きく左右される非常に重要な部分になります。

 

C軸:チャネル(物流、商流、情報流の販路による差別化)

生産者、販売者から消費者までに提供されるに至る時間、購入のしやすさ、などによる差別化になります。

インターネットにより、自宅にいても購入が出来るなどの利便性が増えた中、さらに選んでもらうために「翌日配送」「決算方法」を増やし、消費者が購入しやすい、早く届くなどの差別化はよく使われています。

やはり、購入者は早く手元に欲しいと思うのは当たり前の心理なので、あまりにも遅いとリピートしたいと感じにくくなってしまいます。

また逆に、販売範囲、流通を限定化させ「そこでしか買えない、食べる事が出来ない」など「希少性」「限定性」でプレミア感を演出するなどの方法で差別化を図る会社、お店も沢山存在しています。

 

I軸:イメージ(消費者に与えるイメージ、印象による差別化)
消費者に対し、自社やブランドの望ましいイメージを作りだし与えていきます。

この様な戦略をイメージ戦略とも言い、広告、CM、パンフレット、チラシ、カタログ、パッケージ、ロゴ、名刺や商品デザインなどを通じて消費者に伝えていきます。

消費者に認知してもらうため、多くの企業、自治体、個人も含め使用しているイメージ・キャラクターやマスコットなどの「マスコット、キャラクター戦略」などもイメージ戦略の1つと考えられます。

また、消費者に与えるイメージによって、製品、サービスの使用目的などにも影響を与えます。

 

例えば、
タブレット端末

 

 

通常のタブレット端末でも、

 

女性 男女 bijinesumann

 

の一人でくつろいでいるシーンでは、調べもの、ゲーム、音楽を聴く、電子書籍を読む、動画を見るなど「個人的な時間を楽しめる」事をイメージ、提唱する事も出来ます。

の彼氏、彼女と一緒にいるシーン(あるいは友人と複数でいる時)では、一緒にデート場所を決める、音楽、動画、写真を二人で見るなど「二人で、あるいは福数人で、一緒に同じ時間を楽しめる」と言った事をイメージ、提唱する事も出来ます。

のビジネスマンのシーンでは、プレゼン、企画をまとめる、データーの管理や送受信、必要情報のリサーチなど「ビジネス、仕事の効率化、データ管理」と言った事をイメージ、提唱する事も出来ます。

 

少し例えが荒かったですが、A、B、Cの様にさまざまなイメージを与える事で使用用途を増やし、各シーン別のベネフィットやその人にとっての重要性を提唱していく事も可能というわけです。

 

 

差別化で重要な事は、P・S・C・Iなどに一貫性があり、また一貫性は、コンセプトに連想されると言う事が重要になります。

例えば、コンセプトが「活気のある」だった場合、製品、サービスはもちろん、雰囲気、従業員の接客や服装、イメージカラーやデザイン、広告にいたるまで「活気」を連想させていきます。

もしも、コンセプトの連想に一貫性がないと、自社の特色が上手く伝わらず「何のお店?」と言った事にもなりかねません。

 

まとめ

重複になりますが、ポジショニングで重要なのは判断する側、つまり消費者が知覚する事になります。

そのために、ポジショニング・ステートメントでしっかりと伝える事、また差別化には、コンセプトから連想される一貫性がなくてはいけません。

そして、相違点連想で伝えた「他社ブランドと違う、ベネフィット、価値」を実現できる能力が前提となります。

実現出来ないにもかかわらず、相違点連想でベネフィット、価値があると言ってしまうのは、ただの「誇張」でしかなく消費者を裏切る形になってしまいます。

実際、個人事業、中小企業、大企業問わず、ポジショニング・ステートメントにおいて相違点連想だけが先走り、内容と違うと言った事が多々あります。

確かに競合市場で勝ち抜き利潤を追求していくのは当然の事ですが、ベネフィット、価値を偽り利益を上げたとしても付け焼刃でしかなく、大きなしっぺ返しに見舞われ、事業継続できない状況に陥る事にもなりかねます。

よくある話の、「虚偽表示」なども、価値を偽った結果の末路ではないでしょうか。

情報化社会において、「騙し通す」と言う事は難しい話です。

なので、そのような状況に陥る前に放射的な想像、連想、思考を働かせ、独自のポジショニングを創出し差別化していく事が求められます。

 

 

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