製品戦略で考える基本的な事柄 2.製品コンセプト編

 

製品戦略で考える基本的な事柄 1.製品の基本概念編の続き項目になります。

まだ、読んでない場合後でもいいので読んでおくと理解が深まります。

製品コンセプトを決める

商品コンセプトは、消費者に知覚してもらための重要なメッセージになり、メッセージには主に3つの要素から考えられます。

①誰に(ターゲット)
②どのような、何を(ベネフィット)
③なぜ、可能なのか(立証、詳細など)

などで、それらを表現する最もふさわしい言葉が「コンセプト」になり、それらを踏まえた上で製品、サービス、ブランド名の「ネーミング」を考えていきます。

例として、ポジショニングで説明した「ポジショニング・ステートメント」を連想してもらえれば分かり易いかと思います。

 

製品・サービスの差別化ポイント

有形の製品を差別化するポイントは様々ありますが、基本的なものとして以下の事が考えられます。

①形態
主に、形状、大きさ、製品の構造、などの形態などの差別化ポイントになります。

例えば、サプリメントで「特許技術の胃で溶けず腸まで届く、二層構造」など、作用時間や作用効果などの差別化するなどが挙げられます。

 

②特徴
製品の基本的な機能にプラスする、様々な付加機能などの特徴での差別化ポイントです。

 

③性能品質
製品のほとんどは、いずれかの性能水準に当てはまります。

・低性能・平均的性能・高性能・最高性能などです。

最高性能であれば、それに越した事はありませんが、通常は自社の経営資源面から判断し性能水準を決定していく事になります。

なので、必ずしも最先端である必要があると言う訳ではなく、例え平均水準でもその他の差別化ポイントを組み合わせ他社の高機能などに対抗する事が可能です。

 

④適合品質
消費者は、生産された製品が設計通りの品質で一定的であると考えます。

100個生産した製品の質がバラバラであると、どんなに画期的な商品だったとしてもその会社に技術がないと判断され、また、不快感を与え否定的な認知を持たれてしまいます。

生産技術がまだ低い新興国では、消費者にとって「当たり前の事」で済むかもしれませんが、技術力の高い先進国、特に日本においては、欠陥品のレッテルを貼られます。

 

⑤耐久性
日常、あるいは過酷な使用状態の中において、製品が機能する耐用期間の事になります。

製品に期待を持ち購入し「買って3日で壊れた」では、期待が高ければ高いほど倍返しで「不快感」を味わってしまいます。

例えば、ダイソンの掃除機は様々な差別化を図っていますが、主に「吸引力」+「耐久力」が主軸と考えられ、テレビなどでも「耐久実験」は印象的だと思います。

もしも、ダイソンの掃除機が3日で壊れる商品なら失望され「よく吸う、壊れやすい掃除機」と評判されてしまいます。なので、耐久性は非常に重要なポイントとなってきます。

 

⑥信頼性
信頼性は、購入後一定期間内に誤作動が起きない、故障しないなど、将来的な見込みになります。

ダイソンの掃除機の例でもそうですが、消費者は商品の「信頼性」で価格の納得点を決めていると言えます。

そして、信頼性には購入後の評価で大きく左右する事が多く、購入者の「レビュー」で商品を決める方も非常に多いのも事実です。

なので、商品やサービスに自身のあるお店などでは「レビューを書いたら送料が無料」などの方法でバイラル・マーケティングなども行っています。

*「レビューを書いたら送料が無料」などがないお店は 自信がないと言う意味ではありませんので。

 

⑦修理可能性
製品が誤作動を起こしたり、故障したりし、正常に作動しなくなった時の修理のしやすさになります。

購入者が、労力や時間、費用をほとんどかけずに済み、かつ購入者自身で修理できる商品は、非常に「修理可能性」が高い商品になります。

また、自身が修理できなくてもアフター・サービスやサポート体制、返金、返品保証など迅速さでの差別化も含まれます。

 

⑧スタイル
製品の差別化を図る、大きな要因の一つがデザインになり、オリジナリティーを最も出しやすく、分かり易いという点では、強力な効果があります。

例えば、洋服は機能性よりもデザイン性が重視され、購入する側の大半も「デザイン」が、好きか嫌いかで決める事が多いと思います。

あるいは、どこのブランドかなどで判断する事もありますが、その中でもデザインに着目し判断するとは思います。

衣料品などの限らず、インテリア、家具、家電などでもデザイン性を重視し、部屋の「空間に合ったモノ」を選ぶ方も多くいます。

なので、差別化ポイントの重要な要因になり、考慮しなくてはならない部分です。

無形であるサービスの差別化はにおいては容易ではなく、消費者からも違いの判断が分かりにくい部分であると思います。

しかし、競争市場において、製品の品質だけで差別化を図るのも難しくなってきているのも現状です。なので「サービス」で差をつけると言う事は、非常に重要で勝負のカギになる部分でもあります。

 

また、サービスによる差別化ポイントは、主に以下の事柄が考えられます。(付随的サービスの例です)

①注文の容易さ
消費者が商品を購入する際、いかに注文が簡単かと言う事になります。

ただし、先進国やインターネットの普及により注文が複雑と言う事はほとんどなくなり、差別化を図りにくいポイントになっています。

 

②配達
製品、サービスを、購入者へいかに上手く届けるかの差別化ポイントになり、要素としては、「正確」で「スピーディー」また「配慮」などがあります。

今は、ネットや通販で購入される消費者が多くなりショップも増加しています。

その中で他社より配送が早く正確であれば、さらに言えば、購入者の予想よりも早く正確であれば高印象をもたれ「レビュー(評価)」も良くなりリピーターも増える傾向もあります。

よくある一例ですが、ピザの配達で、

「30分以内にお届けします。届かなければ無料、あるいは半額にします」

など配達時間で差別化を図り話題になった事もあります。

しかしこれは、購入者からすれば非常に画期的だったかもしれませんが、少し「配慮」に欠けたサービスと感じます。

と言うのは「配慮」には2つの見方があり、1つは購入者側で、2つ目は周りの消費者になります。

例えば、30分以内にこだわり過ぎると外部の不可抗力を無視する事になります。

ここで言う不可抗力とは、交通状況、道路環境、標識、信号などの交通ルール的な事で、特に、都内などは一方通行が多かったり、入り組んでいたり複雑な地形も多くあります。

今でもたまに見かけますが、細い路地や住宅地を爆走している配達員もいます。

実際、出会い頭やすれ違いざまでかなり危険を感じた事や、飛び出してくる子供や野良猫がぶつかりそうになっていたケースも見受けられました。

購入者にとっては、良いサービスであっても周りの消費者にとっては「不快」と感じる事にもなり、その感情(不快)のままでは、そこで購入しようとはあまり思えなくなってしまいます。

つまり、一人の購入者のために行ったサービスにより、周りの「見込み客」を失うのと同じにないます。

なので、そう言った意味でも、配達の差別化ポイントは、二つの「配慮」を考えたサービスでなくてはいけないと考えられます。

 

③取り付け
購入者が予定している場所に製品が設置され、動作可能にするための作業のサービスになります。

エアコンなどではよく用いられているサービスですが、最近ではテレビ、冷蔵庫など大型家電では通常的なサービスになってきています。

ただし、中古製品の市場ではあまり存在していないサービスなので、可能な範囲で取り入れていける可能性は十分にあります。

 

④顧客トレーニング
製品、サービスの購入者が、適切に操作できる様に顧客を訓練するなどの差別化ポイントになります。

例えば、取り付けサービスと併用し、作業員が製品の基本的な操作法やトラブルの対処法などを教えてくれたりするなどがあります。

 

⑤顧客コンサルティング
主に、データ、情報システムの提供やアドバイス・サービスなどのコンサルティングになります。

 

⑥メンテナンスと修理
消費者が、購入したコンピューター製品などを良好な状態に保つためのサービス・プログラムになります。(コンピューターに最初から用意されているプログラム)

主に、オンラインでのサポートや自動修復、問題点の自動検索機能などになります。

 

製品ミックスと拡張

製品ミックスは、各企業が販売する全ての製品、サービスの組み合わせの事で、特徴や性質により分けられた各セグメントを製品ラインと言います。

また、製品ミックスは「幅」「長さ」「深さ」「整合性」の4つの次元から考えられます。

製品ミックス

*図のA~Hは、ブランド名ではなく種類名で書いていますが、 ブランド、商品名と仮定して下さい。

①製品ミックスの幅
企業が保有する製品ラインの数になります。

上図の場合「シャツ」「ジャケット」「ズボン」が製品ラインになるので、製品ミックスの幅は3つになります。

 

②製品ミックスの長さ
これは、製品ミックスの中にある全ての商品、アイテム、ブランドになります。

つまり「シャツ」には、A、B、Cの3つのブランドがあり、「ジャケット」にはD、Eの2つで「ズボン」にはF、G、Hの3つあります。

なので、3+2+3=8になるので、製品ミックスの長さは8となり、また、1ラインあたりの平均の長さは「長さ(8)÷幅(3)=2.666・・・」で約2.7と表されます。

 

③製品ミックスの深さ
各製品ライン内にある商品、アイテム、ブランドの数になります。

「シャツ」にはA、B、Cの3つなので、深さは3になり、

「ジャケット」ではでD、Eの2つなので、深さは2で、

「ズボン」は、F、G、Hの3つなので、深さは3と表されます。

トータルでの深さは「3+2+3=8」なので8になります。

 

④製品ミックスの整合性
これは、最終的にどのように使用されるか、また、製造過程や流通チャネル(流通経路、販路)などが、製品ライン間にどれだけの関係性や同質性があるのかになります。

上図では、全てが衣料品になるので各製品ラインまでの製造過程や流通チャネルは、同じあるいは近い関係にあたります。

なので、製品ミックスの整合性は高いと言えます。

もしも、

製品ミックスの整合性

だった場合「衣料品」「石鹸類」「食料品」なので、各製品ラインまでの製造過程や流通チャネルは、別々で多角化経営になります。

なので、製品ミックスの整合性は低いと言えます。

ただし、多角化経営が悪い、整合性が低いから悪い、高いから良いと言った事ではなく、経営資源、コストの問題になり、収益性、可能性が高いと判断するならば問題はないと言う事です。

 

 

以上の4つの次元で製品ミックスを考えていきます。

製品ラインの幅を増やすのか、長さを伸ばしていくのかなど様々な組み合わせで「ライン拡張」「あるいは縮小させる」などの最適化を図っていくと言う訳です。

 

 

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