マーケティングの中核にあるコンセプト(概念)は「交換」にあります。
交換の概念とは「求めるモノを他者から手に入れ、お返しに何かを提供すること」で、また以下の条件が整う必要があります。
1)少なくても2つのグループが存在する
2)それぞれのグループが、他方にとって価値がありそうなものを持っている。
3)それぞれのグループが、コミュニケーションと受け渡しができる。
4)それぞれのグループが、自由に交換の申し入れを受け入れたり、拒否したりできる。
5)それぞれのグループが、他方と取引することが最適で好ましいと信じている。
以上の5項目が整うことで「交換」が成立します。
つまり、相手が存在しコミュニケーション、受け渡しが可能で、双方あるいはグループ間が自由に申し入れを選択でき、なおかつそれぞれが以前よりも良い状態になる、または少なくとも悪い状態にはならないと言う条件に合意された時「交換」の取引が成立されます。
条件が整い、交換を成立させると言うことは「取引」が成功すると言うことで「取引」を成功させるためには、マーケターはそれぞれの相手、グループが「取引に何を期待しているのか」を分析していくことが求められます。
そこで、マーケティング・マネジメントを行っていくと言うわけです。
マーケティングの対象範囲
マーケティングの対象は細かくすればさまざまあるが、主として扱うモノは、以下のものになります。
①財
有形のモノで、例えばテレビ、冷蔵庫、洗濯機、あるいは食品類など、形あるものになります。
②サービス
サービスとは、航空会社、ホテル、レンタカー会社、美容室、修理、整備、会計士、弁護士、銀行員、医者、エンジニア、コンサルタントなど、企業の内外で働く専門家の仕事が多い。
③イベント
大規模なショー、舞台芸術公演、会社の創立記念行事、オリンピック、ワールドカップなどのスポーツイベントなどがあります。
④経験
財やサービスなどをうまく組み合わせると経験を作り出すことができます。例えば、幽霊屋敷、ミュージック・クラブ、登山、ダイビング、始球式などさまざまあります。
⑤人
分かりやすい例でいうと、TVタレントなどでより多くのファンを獲得するためにマーケティング活動を行うなどです。
⑥場所
市町村、区、あるいは地域、国単位で、旅行者や工場、会社、新しい住人などを誘致するため活動を行うなどです。
⑦資産
不動産(土地)、金融商品(株、債券)の所有権など、実体のない権利を対象とします。
⑧組織
強い、優しい、身近である、至高的である、など好ましくユニークなイメージをターゲットとした人々の心に植え付けるためマーケティング活動を行うなどです。
⑨情報
情報も製品とし生産し、市場に出すことができます。
例えば、専門書籍、電子書籍、あるいは専門学校や大学、高校なども「専門知識」という情報に価格をつけて市場に流通させる。
⑩アイデア
どんな市場提供物にも、その基となるアイデアが存在します。
化粧品会社のレブロンのチャールズ・レブロンは「工場では化粧品を作り、店では希望を売る」と述べています。
*ちなみに、こちらは日本のレブロン株式会社になります。http://www.revlon-japan.com/index.html
つまり、財やサービスは、アイデア、ベネフィットを提供するための土台であると言うことです。
マーケターと潜在顧客
マーケターとは「見込み客」と呼ばれる他者からの反応(注目、購買、投票、寄付)を求める人のことで、ゆえに、もしお互いが何かを売りたいと考えている場合、両社ともにマーケターと呼ぶことができます。
また、マーケターは需要管理の責任を負っており、組織の目標にかなうように需要の水準、タイミング性質を見極め、以下の需要の状態にある原因を見つけ需要を望ましい状態に移行させるための行動計画を立てることが求められます。
【需要の8つの状態】
①消費的需要
消費者が製品を好まず、それを避けるための代価を払うことさえいとわない場合もある。
②ゼロ需要
消費者が製品を知らない、あるいは興味がない。
③潜在的需要
消費者が既存製品では満たされない強いニーズを共有している。
④需要減少
消費者が製品を購入する頻度を減らしたり、まったく購入しなくなる。
⑤不規則な需要
消費者の購入が季節、月、週、日、時間によって異なる。
⑥十分な需要
消費者が市場に出たすべての製品をちょうど良い具合に購入してくれる。
⑦需要過剰
消費者の購入したがる製品の供給が追いつかない。
⑧不健全な需要
社会的に望ましくない結果をもたらす製品に消費者が引きつけられる。